フォームミルクとは、空気が入ってふわふわとした泡状になったミルクのことを指します。カフェラテやカプチーノなどのコーヒーメニューに使われているなど、コーヒーとは縁の深い存在です。本記事では、フォームミルクの作り方やアレンジレシピの他、スチームミルクとの違いについても紹介します。
Index
1.フォームミルクとは
フォームミルクと聞いて、どんなものかイメージできない人もいるでしょう。まずは、フォームミルクがどのようなものか、スチームミルクと異なる点についても解説します。
フォームミルクの定義
フォームミルクは、空気を含んで泡状になったミルクのことを指します。フォームドミルクと呼ばれることも。フォームとは英語でfoamと書き、泡という意味です。泡はきめ細かく、ふわふわとした質感なのが特長的。
フォームミルクが使われている代表的なコーヒーは、カフェモカやカプチーノです。フォームミルクは、昨今、人気のラテアートにも欠かせない存在と言えるでしょう。
スチームミルクとの違い
フォームミルクと名称が似ているものに、スチームミルクがあります。スチームミルクのスチームは、英語で綴るとsteamとなり、蒸気という意味です。
ミルクを蒸気で温めて泡状になったものをフォームミルクと呼ぶのに対し、スチームミルクは泡にならなかった液状のミルクを指します。蒸気で温められたホットミルクとも呼べるでしょう。
フォームミルクを作ろうとすると、自然とスチームミルクも同時にできるために違いが分かりにくく、混同されやすいようです。
フォームミルクとスチームミルクの割合による名称
カプチーノやカフェラテなど、コーヒーにはミルクが入ったものも多く存在します。その中には、フォームミルクとスチームミルクの割合によって名称が変わるものがあります。
例えば、カプチーノはエスプレッソにフォームミルクとスチームミルクを5対5の割合で入れたものです。エスプレッソにフォームミルクを入れず、スチームミルクだけを入れたものはカフェラテです。反対に、エスプレッソにスチームミルクを入れず、フォームミルクを少量入れたものはマキアートです。
その他にもコーヒーには、カフェオレやカフェモカといったミルクを入れた飲み方があります。それぞれに違いがあるので、ぜひこちらの記事でチェックしてみてください。
2.フォームミルクの作り方
フォームミルクを作って、コーヒーの飲み方のバリエーションを増やしてみませんか。ここでは、フォームミルクの作り方や上手に作るポイントについて解説していきます。
エスプレッソマシンによるフォームミルクの作り方
エスプレッソマシンでフォームミルクを作るには、まず冷えたミルクを使用します。ミルクピッチャーにミルクを入れたら、スチームノズルをつける前に空ふかしをして中の水蒸気を排出してください。空ふかしすることで、逆流を防げます。
十分に水蒸気を排出できたらスチームノズルの先端をミルクにつけ、スチームを全開にしましょう。この時ノズルは、ミルクの液面から1㎝程度の位置が理想的。チリチリとした音が出ていたら、フォームミルクができている証拠です。
次は空気を対流させることを意識して、横方向にスチームしていきます。ミルクが65℃程度まで温まったらスチームを止めて、ピッチャーの底を軽く打ち付けて完成です。
ミルクフォーマーによるフォームミルクの作り方
エスプレッソマシンがない場合は、ミルクフォーマーで代用します。まずは、ミルクを65〜70℃程度に温めてください。ミルクが温まったら、ミルクフォーマーを上下に動かして泡立てていきます。ミルクフォーマーは、フローサーを上に動かすと空気が入り、下げるとミルクがかき混ぜられます。
泡立て器を使ったフォームミルクの作り方
本格的なものを作るのは難しいですが、泡立て器でも、フォームミルクを作ることは可能です。ミルクフォーマーで作るのと同様に、ミルクを電子レンジで65〜70℃まで温めます。温めたミルクを、泡立て器で表面に沿って泡立ててください。この時、空気が入るように意識するのがポイント。
泡立った部分をスプーンですくえば、フォームミルクの完成です。
フォームミルクを上手に作るコツ
エスプレッソマシンでフォームミルクを上手に作るには、いくつかのコツがあります。まずは、ミルクとピッチャーをよく冷やしておくこと。冷やすことでスチーム時間が長くとれ、きめ細かい泡ができやすくなります。
スチームの際には、ピッチャーを下げ過ぎないように注意しましょう。空気が入り過ぎて、泡がぼそぼそになってしまいます。ミルクが温まると泡ができなくなるので、空気は早い段階で入れるように心がけてください。
また、フォームミルクは65℃程度が理想的です。それ以上温めてしまうと、ミルクの風味が失われて、泡の質感も荒くなります。
3.フォームミルクに使用する牛乳の選び方
フォームミルクを作る際には、牛乳にも注目してみてください。適した牛乳を選べば、より上質なフォームミルクを作れるかもしれません。
乳脂肪分
牛乳には、成分調整乳、低脂肪乳、乳飲料など、さまざまな種類が存在します。どのタイプを選ぶかによって、フォームミルクの泡立ちや風味が大きく異なってくるのです。
フォームミルクを作る際におすすめなのは、成分無調整乳の表記がある牛乳。その中でも、乳脂肪分が3.5%~4%のものを選んでみてください。
低脂肪乳でフォームミルクを作ると、淡泊で泡立ちにくいため、きめ細かいフォームミルクが作りにくいのです。反対に、乳脂肪分が多いものは泡立ちが良くどっしりとした質感のフォームミルクになります。
殺菌処理
牛乳の殺菌処理方法にも注目してみましょう。ミルクの風味をしっかり感じたい場合は、低温殺菌のものを選ぶのがおすすめ。フォームミルクの泡立ちを良くしたい時には、超高温殺菌のものを選ぶと上手くいきやすいです。
自分がどういったフォームミルクを作りたいのか方向性を決めておくと、適した牛乳を選びやすくなります。
4.フォームミルクを使ったアレンジメニュー
フォームミルクをアレンジして、コーヒーの飲み方をさらにバリエーション豊かにしてみてはいかがでしょうか。ここでは、自宅で簡単にできるフォームミルクのアレンジ方法を紹介します。
スパイシーフォームドミルクコーヒー
フォームミルクにスパイスをくわえたアレンジです。フォームミルクを作る際に、温めたミルクに塩、生姜、ブラックペッパーを一緒に入れてフォーミングします。
シナモンやナツメグ、カルダモンなどのスパイスを入れたカップにコーヒーを注ぎ、フォームミルクを乗せた後シナモンパウダーを振りかければでき上がり。
フォームミルクのふわふわとした質感と、スパイスの香りと風味を楽しめるコーヒードリンクです。
ダブルソイ・ラテ
フォームミルクをミルクではなく、豆乳で作るアレンジメニューです。豆乳を通常のフォームミルクの作り方と同じように泡立てます。甘口に仕上げたい時は、この時に砂糖をくわえてください。グラスに少量のコーヒーを注いだら、砂糖と豆乳をくわえてホイッパーで泡立てます。
泡立ったらさらに残りの豆乳をくわえ、フォームミルクを乗せて完成。
5.フォームミルクでコーヒーのバリエーションを豊かに
コーヒーと切っても切れない存在とも言えるフォームミルク。現在ではラテアートが人気なこともあり、自宅でフォームミルク作りに挑戦する人も増えています。フォームミルクを活用してコーヒーの見栄えにもこだわってみませんか。