毎日コーヒーを飲む人なら、コーヒーをこぼして服や小物に染みを作った経験がある人も多いのでは。深く濃いコーヒーの色はいったん染みがつくと目立ちますよね。ここでは、コーヒーの染みを作ってしまった場合の対処方法を紹介します。一般的な衣類の染み抜きの方法からカーペット、車のシートの染み、時間が経った染みなど、さまざまなケースを見てみましょう。
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1.コーヒーの染み抜きをする前に!確認しておきたいポイント
コーヒーをこぼしてしまったら、本格的な染みになる前に対処が必要。ただし染み抜きを始める前に、確認しておきたいことがいくつかあります。染みの被害を広げないようにするために、ぜひ確認しておいてくださいね。
1-1.色柄物については「色落ちテスト」を!
本格的な染み抜きを行う前に、必ず色落ちしないかどうか確認しましょう。色柄物の衣類などは、染み抜きによって色落ちし、本来の模様や色が損なわれる場合があります。これでは染みが抜けても本末転倒なので、事前のチェックが必要なのです。
色落ちテストの方法は、とても簡単。まず、白いタオルか布を用意してください。
1. タオルか布に洗剤をつける
2. 目立たない部分にタオルか布を押しつけ、軽くトントンする
3. タオルに色が付いたかどうかチェック
この時タオルに布地の色がうつっていたら、染み抜きは避けた方が無難でしょう。
1-2.革製品の染み抜きには注意が必要
染みを作ってしまったのが革製品の場合は、「どんなコーヒーをこぼしたか」によって対処方法が異なります。
まず、ブラックコーヒーは「水溶性」の染み。できてしまったら、とりあえず濡れたタオルなどで軽くたたきましょう。こうすることで、染みの拡大を防ぐことができます。この後、革がしっかり乾いてからレザークリーナーなどでお手入れすると、染みが落ちることがあります。
一方、ミルクなど入ったコーヒーの染みは、「油性」の染み。濡れタオルでは対応できません。個人での染み抜きは諦めましょう。
また、水溶性の染みでも色素が沈着したり革の目に入り込んだりしたものも対応不可。無理に染み抜きをすると革そのものを傷めてしまうので、なるべく早く皮革専門業者に相談してください。
1-3.染み抜きの注意事項を覚えておく
染み抜きをする際、覚えておきたいポイントがいくつかあります。
まず、染み抜きでは水を使うということ。染み抜きをお湯で行うのはNGです。通常のお洗濯では、お湯を使った方がよいとされますよね。これは、日常の汚れの多くが「皮脂汚れ」のため。皮脂はお湯に弱いので、汚れがよく落ちるのです。
しかし、付いた染みが「タンパク質」を含む場合、高温で洗うと成分が固まり、染みは落ちにくくなってしまいます。
コーヒーの場合、豆には微量のタンパク質が含まれています。これは抽出後にほとんど無くなるともいわれますが、ゼロとはいえません。したがって、コーヒーの染み抜きでもお湯は避けた方が無難なのです。
また、水を使って染み抜きを行う際には水染みにも注意が必要です。衣類によっては水染みが取れなくなる場合があります。特に革製品は水染みがはっきり残るので硬く絞った布を使い、水染みを作らないよう注意が必要です。
衣類もコーヒーをこぼした部分のみ水に濡らし、染みを広げないように注意しましょう。
染みのついていない部分をビニール袋に入れて、輪ゴムなどでしっかり縛り、染み部分のみ濡らすようにすると良いでしょう。
このほか、早めに染み抜きすることも重要。時間が経つと繊維の奥まで汚れが入り込み、完全な染み抜きが困難になってしまいます。染みが付いた直後なら簡単に落ちることも多いので、早急に対処することが大切なのです。
2.衣類にコーヒーをこぼしたら。コーヒーの染みはこうして抜く!
ここからは、衣類にコーヒーをこぼした場合に家庭でできる染み抜き方法を紹介します。特に難しい手順や決まりはないので、すぐにでも始められますよ。
2-1.中性洗剤を使用
家庭で染み抜きを行う場合は、台所用洗剤など中性洗剤を用意しましょう。これを、水に濡らした染み部分に直接付け、手でよくもみ洗いします。この時白いシャツや普段着ならよいですが、デリケートな衣類の場合は、綿をガーゼで包んだものに薄めた洗剤を浸し、これで染み部分を叩いたり、歯ブラシを使ってこすったりするとよいでしょう。
ある程度こすったら、水洗いをし、洗濯機に入れて洗濯します。この時汚れが取れていなければまた洗剤をつけてこすりましょう。
どうしても汚れが落ちない場合は、漂白剤を使って落とします。こちらについては、次で詳細を確認してください。
2-2.ガンコな染みには漂白剤で対応
中性洗剤を揉み込んでも落ちないガンコな染みは、漂白剤を使って落とします。ただし、この時注意したいのが塩素系、還元系漂白剤の漂白剤を使わないこと。色柄がある場合は真っ白になってしまいます。
1. 色落ちテスト
2. 漂白剤を塗る
3. ドライヤーをあてる
4. 洗濯する
また、漂白前には前述の色落ちテストを行い、問題ないか確認することもお忘れなく。
特に問題が無いようであれば、漂白剤を染み部分に塗ってください。この時染みの面積が小さければ綿棒など使って、余計な色抜けを防ぎましょう。
染み部分に漂白剤を付けたら、ドライヤーで熱をあてます。この時の温度は高いほど有益ですが、高すぎると色抜けしてしまうので注意してください。50~60℃くらいの温風を当て続けるのがおすすめです。
染みが抜けたら、あとは普通に洗濯機で洗濯を行いましょう。
2-3.家庭で洗えない衣類はクリーニング店へ
色落ちテストで色落ちしたものは、自身での染み抜きは諦め、専門業者に相談しましょう。この時、「染みの原因」「染みが付いた時間」「どんな処置を施したか」など詳細を伝えることが大切です。
3.こんな時どうする?困ったコーヒーの染みへの対処法
家の中ならまだしも、外出先でコーヒーをこぼした場合どう対処したらよいか困りますよね。
また、衣類以外に染みを作ってしまった場合も、染み抜きできるのかどうか不安です。
ここでは、さまざまなシチュエーションを想定して染み抜きの方法を紹介します。時間が経ったコーヒーの染み抜きなど、「こんな時どうする?」と困った人は参考にしてみてくださいね。
3-1.外出時にコーヒーをこぼした
外出先でコーヒーをこぼしてしまった場合は、ブラックコーヒーかミルクコーヒーかで対処が異なります。
まずブラックコーヒーの場合は、乾いたティッシュを布地の下に敷き、濡らしたティッシュで叩いてください。汚れが下のティッシュに染みこみ、染みになりにくくなります。
一方、ミルクコーヒーの場合は、乾いたティッシュを下に敷くのは同じ。ただし、水だけでは落ちないので、石鹸も一緒に染みこませます。
この応急処置で染みが目立たなくなったら、あとは自宅に戻って酸素系の漂白剤を使ってきちんと染み抜きしてください。
3-2.衣類ではないものにコーヒーをこぼした
カーペットにコーヒーをこぼした場合、吸水性のよいタオルを押し当て、コーヒーをタオルに染みこませます。タオルにコーヒーの色が付かなくなったら水で濡らしたタオルを使い、これを何度か繰り返してください。
コーヒーの色が薄くなってきたら、ドライヤーで熱風をあてて乾かしましょう。
このやり方は、車のシートにコーヒーをこぼしてしまった場合や、靴にコーヒーをこぼした場合にも使えますよ。ただし、靴の場合はドライヤーの熱で傷むこともあるので、乾かすときはシューキーパーを入れ、風通しのよい日陰に干してくださいね。
3-3.コーヒーの染みができてから時間が経ってしまった
時間が経ったコーヒーの染みには、「魔法水」が有益です。これは、「液体の酸素系漂白剤」「重曹」「食器用中性洗剤」の3つを混ぜ合わせたもの。茨城県のクリーニング業者が考案し、染み落としに高い効果があるとしてTVや雑誌などでも話題となりました。
魔法水が時間が経った染みにも有効なのは、このなかに含まれる活性酸素やアルカリ成分のおかげ。ただし、効力は魔法水作成後3時間しかないので注意してくださいね。
作成の手順は、以下のとおりです。
1. 酸素系漂白剤小さじ3、重曹小さじ1を混ぜる
2. 食器用中性洗剤を3滴入れてよくかき混ぜる
染み取りの際は、これを歯ブラシなどにとり、染みに付けて叩きます。この時、布地の下にはタオルを敷くこともお忘れ無く。
繰り返し叩いたら、水でよくすすぎ、洗濯機で洗濯してくださいね。これでガンコなコーヒーの染みも綺麗に落とせるでしょう。
4.慌てなくても大丈夫!適切に対処すればコーヒーの染みは落ちる
コーヒーをこぼしてしまったら、慌てずに濡れティッシュやタオルで対処しましょう。時間が早いほど、染み残る可能性は低くなります。
また、時間がたった染みでも諦めずに染み抜きしてみるのがおすすめ。衣類に付いた染みなら、染み抜きの得意なクリーニング店に相談する方法もありますよ。
どうしても染みが心配という人は、携帯用の染み抜きなども携行してみてはいかがでしょうか。特に外でコーヒーを飲む機会が多い人は、いざという時重宝するでしょう。