いつもと違う雰囲気・環境を楽しむアウトドア「キャンプ」。火をおこして料理をしたり、ちょうど良い地面を探してテントを張ったりと、あなたのもつ知識や技術が思いきり発揮できるチャンスですよね。
そんなキャンプでは、コーヒーもコーヒー豆から!
淹れ立ての本格コーヒーには手間と時間がかかるだけの価値があります。
ここでは、
「今度のキャンプでは、コーヒーを自分で淹れてみよう!」
とチャレンジしたいあなたへ、キャンプで美味しいコーヒーを飲むための方法を4パターンに分けてご紹介!コーヒーを飲むひとときがさらに楽しめる快適グッズにも注目しながら、ぜひ参考にしてくださいね。
Index
1.キャンプで飲むコーヒーは格別
キャンプには、日常生活では味わえない楽しみがたくさんあります。森林浴や天体観測などの大自然に触れながらのびのびとでき、アウトドア用の道具で料理をしたり灯りを作ったり。家電の少ない不便さをなんとかするのも、ひとつの面白さがあります。
そんな雰囲気の中で飲むこだわりのコーヒーは本当に格別!
夜は焚き火台を囲んで仲間とゆっくり談笑しながら、朝は活動前の眠気覚ましとして。山の澄んだ空気を感じながら、美味しいコーヒーの香りと味でほっと一息できますよ。
2.キャンプ用コーヒー豆を準備しよう
まずは、キャンプに持っていくコーヒー豆の準備から!美味しいコーヒーは、あなたの好みに合わせたコーヒー豆を自分で挽くことからはじまります。
コーヒー豆を挽く魅力
コーヒー豆を挽くのは、コーヒーの成分を引き出しやすくするのが大きな理由。極端にいうと、コーヒーを豆のまま長時間お湯につけておけば抽出できますが、粉状に砕いた方がお湯に触れる面積が大きくなり、十分な成分が抽出できるんです。
また、コーヒーの香りがもっとも出やすいのは、コーヒー豆を挽いた瞬間。鼻先にふわっと広がる香りが、これからコーヒを味わう楽しみのひとつにもなります。
コーヒー豆の種類を知ろう
「コーヒー豆」といっても、生産国によって味・形・香りはさまざま。その土地の気温・日照条件・雨量などに合う栽培法がとられており、まろやかなコクがあったり後味がすっきりしたりします。
一例がこちら。
【非水洗式アラビカ種】
地域:南米系
特徴:甘味を伴った、やわらかな苦味と適度な酸味
生産国(銘柄):ブラジル
地域:アフリカ・アラビア系
特徴:フルーティーな甘い香りとやわらかな酸味とコク
生産国(銘柄):エチオピア(モカハラー・モカジマ)、イエメン(モカマタリ)
【水洗式アラビカ種】
地域:中南米系(メキシコを含む)
特徴:甘い香りとすっきりした酸味、さわやかな後味
生産国(銘柄):メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ペルー、ブラジル
地域:コロンビア系
特徴:甘い香りとしっかりした酸味とコク、重厚な風味
生産国(銘柄):コロンビア
地域:カリブ系
特徴:香り、酸味、コクのバランスがとれた軽やかな風味
生産国(銘柄):ジャマイカ(ブルーマウンテン)、キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国
地域:アフリカ系
特徴:しっかりした酸味とコク、芳醇で重厚な風味
生産国(銘柄):タンザニア(キリマンジャロ)、ケニア、エチオピア
地域:アジア系
特徴:軽やかな酸味とコク、穏やかな風味
生産国(銘柄):インドネシア(ガヨマウンテン)、インド(プランテーション)
地域:アジア・オセアニア系
特徴:香り、酸味、コクのバランスがとれた重厚な風味
生産国(銘柄):インドネシア(トラジャ)、パプアニューギニア
地域:ハワイ系
特徴:さわやかな酸味と適度なコク
生産国(銘柄):米国(ハワイコナ)
【スマトラ式アラビカ種】
地域:アジア系
特徴:なめらかな苦味と深いコク
生産国(銘柄):インドネシア(マンデリン)
【非水洗式カネフォラ種】
地域:アジア・アフリカ・南米系
特徴:やわらかな苦味と独特の香ばしさ
生産国(銘柄):インドネシア(AP)、ベトナム、ウガンダ、ブラジル、コートジボワール
【水洗式カネフォラ種】
地域:アジア系
特徴:すっきりした苦味と独特の香ばしさ
生産国(銘柄):インドネシア(WIB)、インド(パーチメントAB)
このほか、焙煎方法やブレンド(複数の豆を混ぜること)した種類によっても、風味が変わります。いろいろ試してみて、あなたの好きなコーヒー豆を見つけてくださいね。
コーヒー豆を挽いてみよう
コーヒー豆を選んだら好みの粗さに挽きます。
道具に合わせてコーヒー豆の挽き目を変えよう
コーヒー豆の成分を効率よく引き出すには、抽出する道具に合わせて挽き目(粒の粗さ)を変えるのがコツ!道具によって、お湯との接し方&時間が違うためです。
一例がこちら。
挽き目:極細挽き
道具:エスプレッソマシン
挽き目:細挽き
道具:ウォータードリップ
挽き目:中細挽き
道具:ペーパードリップ、コーヒーメーカー
挽き目:中挽き
道具:サイフォン、ネルドリップ、フレンチプレス
挽き目:粗挽き
道具:パーコレーター
挽き方が合わないと、コーヒー豆の成分が十分に引き出せず薄い味のコーヒーに。もしくは、引き出しすぎでえぐみの強い味になります。
コーヒー豆は「コーヒーミル」で好みの粗さに
コーヒー豆を挽くなら「コーヒーミル」!自宅で挽いてからコーヒー粉だけを持っていくのも良いですが、コーヒーミルを持って行きその場で使えば、挽き立ての香りと風味が楽しめます。
コーヒーミルを選ぶときは、
●価格(予算)
●豆を挽く手間(手動式・電動式)
●持ち運びやすさ
●掃除のしやすさ
をチェック!好みのコーヒーを探すなら、豆の粗さが調節できると良いでしょう。
キャンプでのおすすめは、軽量&コンパクトでどこでも使える手動式。丈夫で錆びにくく、刃の部分を取り外して簡単にお手入れできるタイプが長持ちします。
ただし、キャンプで「ポータブル電源」を使う人は、小型の電動式も良いかも。より均一に粉砕でき、一度にたくさんのコーヒー粉ができあがります。
3.挽き立てコーヒーのためのキャンプでおすすめの淹れ方【4パターン】
豆を挽いたらいよいよ淹れる工程へ!あなたが使ってみたい抽出道具はありますか?キャンプで使える4つの方法を1つずつ紹介しますね。
また、火を使う際には火傷に十分注意しましょう。
①定番「ドリップ方式」
もっともシンプルで人気のドリップ方式。コーヒードリッパーの上にペーパーフィルターとコーヒー粉をセットし、お湯を注ぐというスタイルです。
水とコーヒー以外の準備道具は以下の6つ。
●コーヒードリッパー
●ペーパーフィルター
●コーヒーサーバー(マグカップで代用可)
●コーヒー粉にお湯を注ぐもの(ケトル・ポット)
●マグカップ
●火(焚き火、バーナーなど)
コーヒードリッパーは、抽出速度・杯数・材質・形状などさまざま。ペーパーフィルターと形状が合わないこともあるので、セットでそろえるのがおすすめです。
お湯を静かに注ぐため、ケトルやポットは注ぎ口が細いものを選ぶと良いでしょう。たとえば、ドリップコーヒー専用の道具「ドリップケトル(コーヒーケトル)」を使うと、一定のペースで少しずつ注ぎやすくなりますよ。
②コーヒー本来の味わい「パーコレーター」
キャンプなどのアウトドアショップでよく見かけるのが「パーコレーター」です。コーヒー粉をセットして直火にかけるだけの手軽さが魅力。お湯がパイプを伝って循環し、じわじわとコーヒーができあがっていきます。
準備道具は以下の2つ。
●パーコレーター
●火(焚き火・バーナーなど)
キャンプで使うなら、直火式の丈夫なステンレス製がおすすめです。「3カップ」「6カップ」など1度に2カップ以上の量が作れるので、飲みたい量や一緒に行く人の人数を考えながら適切なカップ数のものを選びましょう。
ちなみに、パーコレーターはコーヒーのほかにもお茶を淹れたり麺を茹でたりが可能!簡単な1人前の料理ができるので、ソロキャンプに使うと便利です。
③手間いらず「フレンチプレス」
もともとは紅茶用として親しまれてきた「フレンチプレス」。コーヒーとお湯を入れ、金属フィルターを押し沈めて注ぐというスタイルです。コーヒーの旨味「油分」も抽出されるため、コーヒー本来の香りや味わいが楽しめます。
準備道具は以下の3つ。
●フレンチプレス
●コーヒー粉にお湯を注ぐもの(ケトル、ポット)
●火(焚き火、バーナーなど)
キャンプで使うなら、直火OKなものやタンブラー一体型が手軽で便利です。
④圧力ですばやく抽出「直火式エスプレッソマシン」
キャンプで本格エスプレッソが楽しめる「直火式エスプレッソマシン」。お湯とコーヒー粉を別々にセットし、発生した蒸気の圧力を利用して濃度の高いコーヒーを抽出します。
準備道具は以下の2つ。
●直火式エスプレッソマシン
●火(焚き火・バーナーなど)
直火式エスプレッソマシンは、1カップ約50ccが目安。ほかより少なめなので、3〜4カップ用のものを選ぶと良いでしょう。
濃いめで作れば、ミルクを加えたカフェラテやさらにチョコレートを加えたカフェモカなどが作れるのもエスプレッソの魅力。サビにくくお手入れしやすいステンレス製がおすすめです。
4.ドリップコーヒーの美味しい淹れ方
コーヒードリッパーを利用して、キャンプ中に美味しく淹れる方法を紹介します。
①ペーパーフィルターをコーヒードリッパーにセットし、コーヒー粉を入れる
コーヒードリッパーの上にペーパーフィルターをセット。その中に計量したコーヒー粉を入れ、平らになるように軽く揺らします。そのまま、マグカップかコーヒーサーバーの上に置きましょう。
②お湯を沸かす
ケトルやポットに多めのお湯を沸かします。沸騰したらコーヒーサーバーやマグカップに注いで容器を温め、注いだコーヒーを冷めにくくします。
お湯の温度は90度ほどがおすすめ。ただし、コーヒーの種類や焙煎度によって抽出される成分が違うので、あなたのお好みに合わせて調節すると良いでしょう。
●低温|苦味や渋みを押さえ、軽い味わいに
●高温|苦味や渋みが早く出てくる
③お湯を少し注いで蒸らし、約3回に分けて優しく注ぐ&完成
コーヒー粉の上にお湯を少し注ぎ、30秒ほど蒸らしてコーヒー粉の膨らみをチェック!続いて、3回くらいに分けて少しずつ注いでいきます。
お湯を入れるときは、「の」の字を描くようなイメージで、まんべんなく優しくがコツ!蒸らし時間から抽出完了まで「3分」を目安に、なるべく細くゆっくりと注ぎましょう。
●しっかり蒸らす
●同じ場所に注ぎ続けない
●勢いよく注がない
これらに注意すれば、十分に抽出できた美味しいコーヒーが淹れられます。
5.パーコレーターを使う美味しい淹れ方
パーコレーターを利用して、キャンプ中に美味しく淹れる方法を紹介します。
①バスケットにコーヒー粉をセット
「バスケット」という部分に杯数分のコーヒー粉をセットし、中ぶたをかぶせておきましょう。パーコレーターはコーヒー粉とお湯の接触時間が長いので、コーヒー豆は粗挽きがおすすめです。
②お湯を沸かす
水を入れたポット・ケトルを火にかけて、杯数分のお湯を沸かしましょう。
③バスケットをポットにセット
お湯が沸いたら一旦火を止め、①のバスケットを本体にセットしふたを閉めます。
④抽出&完成
再度、点火(弱火)し抽出スタート!約4分後、ふたのツマミから見える液体の色が濃くなってきたら完成です。
注意点は、強火で長時間火にかけないこと。いきすぎた抽出や劣化がおきるため、コーヒーの良い香りや風味が失われてしまいます。
6.フレンチプレスを使う美味しい淹れ方
フレンチプレスを使って、キャンプ中に美味しく淹れる方法を紹介します。
①コーヒー粉とお湯を入れる
中細挽き〜粗挽きのコーヒー粉を、あらかじめ温めておいたフレンチプレスに杯数分入れます。一杯分の目安は、コーヒー粉12〜13gほどに対して、お湯90度〜100度、160ccが適量です。
②なじませる
お湯を入れたらコーヒー粉となじませます。ヘラなどを使い、乾いた粉がなくなるまでしっかりと。
③抽出&完成
ふたをかぶせて4分ほど蒸らしたあとに、お楽しみのプレスタイム!上のつまみを完全に下まで押し込み、カップに注いで完成です。
7.直火式エスプレッソマシンを使う美味しい淹れ方
直火式エスプレッソマシンを使って、キャンプ中に美味しく淹れる方法を紹介します。
①お湯を入れる
本体の上下を外し、下部に杯数分のお湯を入れます。1杯分(約30cc)の目安は、コーヒー粉6〜9gに対し、お湯50cc。
②コーヒー粉をセット
極細挽きのコーヒー粉を上部のバスケットにセット。杯数分入れたら、スプーンや指などを使って水平に固めます。このとき、コーヒー粉を押し付けたりお湯とコーヒー粉が混ざったりしないように注意!
③抽出&完成
上部のバスケットを蒸気が漏れないようにしっかりとセット。底から火がはみ出さない火加減で、沸騰するまで待ちます。
「ポコッポコッ」と音がし、バスケットが押し上げられて下部が空になったら抽出完了。「カラカラ」という音を合図に火からおろし、カップに注ぎます。
8.キャンプではこうやって飲むと楽しい!
キャンプで飲む本格コーヒーは、まわりの雰囲気作りやキャンプ用の快適グッズでさらに美味しく楽しめます。
①仲間と焚き火を囲みながら飲む
家族や友人などのキャンプメンバーと、なにげない会話を楽しみながらコーヒーを。テントや焚き火台などの設営、料理&食事の後片付けなどが終わり、みんなでほっと一息つきたいときにもぴったりです。
夜は焚き火を囲んで星空を眺めながら・・・。ふだんは出てこないような、深い話ができそうですね。
②ミルクフォーマーで別の味・ラテアートを楽しむ
牛乳+手動のミルクフォーマー(牛乳の泡立て器)を持っていけば、キャンプでカフェラテやカプチーノ、ラテアートが楽しめます。
ふわふわのミルク(フォームドミルク)を作る手順は以下のとおり。焚き火やバーナーなど、コーヒー用の火を利用しながら簡単に作れます。
1)カップに冷たいミルクを入れる
2)ふたをせず、弱火にかける
3)表面に泡が立ち始めたら火から離す
4)ふたをはめ込む
5)ふたを手で押さえながら、つまみを上下させる
6)泡立ったら、コーヒーの上にゆっくり注ぐ
上手に作るコツは、ミルクを沸騰させないこと。つまみを上下させるスピードを調整しながら、少しずつ泡立てましょう。できあがりのふわふわのミルクは、癒やし効果抜群です。
③保温性の高いおしゃれなマグカップを使う
手間をかけたコーヒーは、おしゃれなマグカップへ。紙コップよりも本格的なムードが演出でき、エコにも役立ちます。
キャンプ向けのマグカップは、ステンレス製や折りたたみタイプなどさまざま。そのうち、淹れ立てのアツアツを少しでも味わいたいなら、耐久性・保温性の高いものがおすすめです。
おしゃれなマグカップは、コーヒーのほか、スープや熱いお茶にも使えるのが魅力。夫婦やカップルは、おそろい・色ちがいで使うと雰囲気が盛り上がりそうですね。
④ソロキャンプで心ゆくまで飲み尽くす
1人で行くソロキャンプ。醍醐味は、一般的なマナーを守ったうえでの「自由」です。
コーヒーも、淹れ方・飲むタイミング・飲む量などすべて自分のスタイルでOK!好きなもの食べながら飲んだり、時間のゆるす限り香りや風味を感じたり。満足するまで本格コーヒーが楽しめます。
⑤ハンモックに揺られながらゆっくり味わう
ハンモックの心地よい揺れを感じながら、美味しいコーヒーを飲むのも魅力的。疲れたからだを癒やしつつ、飲み終わったらそのまま快適に仮眠もできます。
ハンモックは、座れるタイプ(椅子型ハンモック、ハンモックチェア)をチョイス。腰やお尻への負担がかからず、すっぽりと包まれてリラックスできます。座らないときは、ブランコとして子どもの遊び道具にもなりますよ。
9.キャンプで飲むコーヒーがやみつきに
淹れ立ての本格コーヒーを飲めば、キャンプが盛り上がること間違いなし!
キャンプ向けの道具は、高耐久・直火OK・軽量・コンパクトがポイント。チタン製やステンレス製がおすすめ。何度もくり返し使って愛用してくださいね。
荷物を減らすため、コーヒー以外の用途も兼用できるとさらにGOOD!料理や他の飲みものにも使えるので、重宝します。
キャンプで飲む本格コーヒーは、香りも風味も最高。まずは、コーヒーと道具を持ってキャンプに出掛けましょう!!