コーヒーロースターを使って、コーヒーの生豆をご自宅でローストすると、香りも味もより一層美味しいコーヒーを楽しむことができます。この記事では、そんなコーヒーロースターの種類や選び方を解説します。ご自宅で美味しいコーヒーを楽しみたい方、コーヒーロースターに興味のある方はぜひご覧ください。
1.コーヒーロースターとは?
コーヒーロースターとは、コーヒー豆を焙煎する器具や機械のことです。よく見かける茶色い色のコーヒー豆は、焙煎したあとのコーヒー豆です。焙煎をする前は、生豆で、薄い黄緑色をしています。
コーヒーにとって焙煎は、味や香りを決める重要な工程です。できあがりの焼色によって、浅煎り、中煎り、深煎りなどに分けられ、味も変わります。浅煎りほどマイルドで酸味が強く、深煎りほどコクと苦みが強いといったコーヒー豆に仕上がります。コーヒー豆は焙煎した直後から変化が始まるため、煎りたてのコーヒー豆を挽いて、コーヒーを淹れるのが理想です。またコーヒーの生豆は長期保存も可能で、価格も安く手に入れることができるのも魅力的。家庭用のコーヒーロースターを使用することで、生豆の焙煎具合を自分好みで調整することができますし、いつでも煎りたてのコーヒーを味わえます。
2.コーヒーロースターの種類
コーヒーロースターには多くの種類がありますが「手動式」「回転式」「電動式」の3つに大きく分けて、種類の特徴などをご紹介していきます。
手動式フライパン型
手動式フライパン型は、手軽にコーヒー豆を煎ることができるコーヒーロースターです。家庭用のハンドロースターなどが分類されます。片手鍋のような形のものが多く、丸型や四角型のコーヒーロースターの中に、コーヒー豆を入れて焙煎します。網目状のフタがあるものや、熱が回りやすくなることから、コーヒー豆の投入口が狭くなっているものなどもあります。陶器やアルミ、ステンレスなどから作られており、千円以下で販売されている商品もあります。手動式で焙煎するには、経験やコツが必要ですが、温度計が付いたものなど、初心者向けの商品もあります。リーズナブルな価格で、コーヒー豆を焙煎したい方におすすめです。
手動式ドラム型
手動でドラムを回転させるコーヒーロースターは「小型手回し焙煎機」とも呼ばれており、焙煎状態を確認できるタイプのものが多く、手動式フライパン型よりも煎りムラを抑えることができます。焙煎工程を楽しみたい方におすすめです。価格は1万円以下のものから数万円するものもあります。
電動式ドラム型
電動でドラムを回転させるコーヒーロースターは、焙煎する時間や温度を調整して、全自動でコーヒー豆を焙煎することができます。生豆を均一に焙煎できるのが魅力的です。火加減を気にする必要もなく、失敗をすることもありません。これを使えば、お家で簡単にコーヒー豆を焙煎することができます。ドラム自体が回転するもののほか、ドラムは据え置きで内釜だけが回転するタイプもあります。価格はメーカーによって異なりますが、数万円台のものが多いです。
3.コーヒーロースターの熱源
家庭用のコーヒーロースターの熱源には「ガス式」「電気式」「ガス+電気式」の3つのタイプがあります。それぞれの特徴についてご紹介します。
ガス式
ガス式は、火力の調整を自分でおこなうため、自分好みの焙煎度合いに仕上げることができます。しかし、安定した焙煎をおこなうのは、なかなか難しいです。
ガス式は、カセットコンロやガストーチを使って焙煎します。安全装置付きのガスコンロ(ピルトインなど)では使用できません。焙煎中の煙やチャフには、引火する恐れがあるため十分注意しましょう。ガス式は、アウトドアでの使用に適しています。
電気式
電気式は、電源を入れるだけで自動的に焙煎してくれるため、難しさを感じず、焙煎も安定した仕上がりになります。ただし、焙煎の楽しさは半減します。
電気式は海外製のものが多く、ボタン一つで簡単に使えるものから、本格的な仕様のものもあります。付加機能によって価格も大きく変わります。しかし、日本仕様になっていないコーヒーロースターを使用する場合は変圧器が必要になってしまうため、使用する際は表示を確認することをおすすめします。電気式のコーヒーロースターは、直接コンセントに挿すようにし、延長コードでの使用は、止めておきましょう。
炭
炭火を熱源として焙煎する、炭焼きコーヒーという方法があります。炭焼きの香ばしい香りや濃い目に淹れられたコーヒーの味が人気です。赤外線の効果により、コーヒー豆をふっくらと加熱し、時間の経過によるコーヒー豆の変化も抑えることができます。
しかし、コーヒーの焙煎は火力の調整などが難しく、特に炭火焙煎はコントロールが難しいと言われています。炭火を熱源にコーヒーを淹れる際は、ガス式の淹れ方などに慣れてから行うと良いかもしれません。
4.コーヒーロースターの選び方
コーヒーロースターを選ぶときに重視すべき点についてご紹介します。
焙煎方法
コーヒーロースターには「直火焼き」「熱風式」「遠赤外線式」といった3つの焙煎方法があります。「直火焼き」は、火加減の調整が難しいですが、コーヒー豆が変化していく様子をゆっくり堪能することができます。「熱風式」は、焙煎温度の調節がしやすいです。ドラムに送った熱風で加熱するため、煎りムラなく均一に煎ることができます。「遠赤外線式」は、 コーヒー豆の中心部にまで熱が届き、豆全体を均一に焙煎できるのが特徴です。
本体のサイズと重さ
家庭用のコーヒーロースターは、本体のサイズや重さも確認して選ぶことが大切です。サイズが大きいと、使用しないときの収納場所を確保する必要があります。手動式のコーヒーロースターは、数分間振り続けることになるので、負担の少ない、小さめのサイズで軽いものを選びましょう。
焙煎量
コーヒーロースターを選ぶときは、焙煎量も重要です。電動式のコーヒーロースターは、焙煎量が多いほど、サイズも大きくなります。しかし、電動式は連続使用できないものが多いため、量が少なすぎるのも良くありません。一度に必要な量を把握し、必要な量が投入できるコーヒーロースターを選びましょう。
付加機能(アフターバーナーやチャフトレー)
家庭用のコーヒーロースターで、最も気になるのが煙とチャフ(薄皮)の処理ではないでしょうか。コーヒーロースターは、煙がたくさん出ることもあるため、換気扇の下やベランダなどで使用するようにしましょう。それでも煙が気になる方は、煙の排出を抑える「アフターバーナー機能」がついているものを選ぶと良いです。またチャフによるキッチンの汚れなどが気になる方は、チャフが飛沫しにくいタイプのものやチャフトレーが付属している商品を選びましょう。
付加機能【音の軽減や冷却機能】
電動式のコーヒーロースターを選ぶときは、音も考慮しましょう。モーターで攪拌するものは、モーター音とコーヒー豆が転がる音だけですが、熱風式はそれに加え風の音もするため、掃除機のような音になる商品もあります。コーヒーロースターには、冷却機能が付加しているとより良いです。冷却機能が付加していることで、安全に焙煎したコーヒー豆を取り出すことができ、余熱による煎りの進みを防いでくれます。自動式のコーヒーロースターには、ほかにもさまざまな付加機能があります。予算や自分の使い勝手に合ったものを考慮しながら選んでいきましょう。
5.コーヒーロースターを使ってコーヒー豆を焙煎しよう
本格的にコーヒーを堪能したい方には、ぜひコーヒーロースターを使って、コーヒー豆を焙煎してみましょう。家庭用のコーヒーロースターには、さまざまな種類があります。ご自分のこだわりやライフスタイルに合ったコーヒーロースターを選んで、コーヒータイムを楽しみましょう。