カフェでコーヒーや紅茶と一緒に出てくるシナモンスティック。その使い方に戸惑ったことのある方も少なくないのではないでしょうか。今回は、シナモンスティックの種類、シナモンパウダーとの違い、シナモンスティックの使い方などについてご紹介していきます。
1.シナモンスティックとは
シナモンスティックは、クスノキ科の常緑樹であるシナモンの樹皮を薄く剥いで乾燥させたもので、スティック状に巻かれています。シナモンスティックには、具体的にどんな特徴があるのでしょうか。
シナモンスティックの種類と産地
シナモンはスリランカやインドなどの熱帯地方で栽培されており、一般的に流通しているものには大きく分けて、セイロンシナモンとカシアの2種類があります。セイロンシナモンは、セイロンニッケイという常緑樹が原料で、そのほとんどがスリランカでの生産。上品で優しくほのかな甘い香りが特徴です。
カシアはセイロンニッケイの近縁種から作られ、主に中国やベトナムで生産されています。甘さとスパイシーさが混ざった刺激的な香りが特徴。セイロンシナモンと比べるとやや強めな感じがあり、カレーなどの煮込み料理にもってこいです。セイロンシナモンが高級とされるのに対し、一般的にスーパーなどで安価で出回っているのがカシアです。
そのまま食べることはできる?
コーヒーと一緒に出てくるシナモンスティックを、そのまま食べられるのかなと思ったことがある人は少なくないはず。シナモンスティック自体はそのまま食べるものではありませんが、煮込み料理に入れたり、粉末状のものを飲み物に入れたりすることで楽しむことができます。
シナモンスティックは再利用できる?
シナモンスティックは香りが残っていれば何回も使えます。再利用する場合は、濡れた部分を乾燥させて使うか、濡れていない部分を使うようにしましょう。コーヒーなどの飲み物に使った場合は、内側に濡れた部分が残っているとカビが生えることもあるため、濡れていない部分を折って使うのがおすすめです。
賞味期限と保存方法
シナモンスティックは未開封の状態であれば、2〜3年は持ちます。ただし開封すると空気に触れて鮮度が落ちてしまうため、開封した後は密封できる容器に入れて、冷暗所で保存するようにしましょう。
2.シナモンスティックとシナモンパウダーの違い
シナモンスティックがその名の通りスティック状なのに対し、それを細かく砕いてパウダー状にしたのがシナモンパウダーです。両者はどのように使い分けをされているのでしょうか。
シナモンパウダーとの使い分け
シナモンスティックは、コーヒーや紅茶などの湯に加えて煮出す飲み物や、じっくり香りを出す煮込み料理にぴったりです。これに対し、香りが飛びやすいシナモンパウダーは、コーヒーや紅茶などの飲み物のほか、焼き菓子に混ぜたり、トーストやデザートなどに仕上げとして使うのがおすすめです。
シナモンスティックはシナモンパウダーで代用できる?
シナモンパウダーは形状が違うだけで、シナモンスティックと同じものですので、代用するのに問題はありません。目安はシナモンスティック1本に対し、シナモンパウダー小さじ1杯。メーカーによって多少違うこともあるため、小さじ1/2から風味を見ながら足していくのがよいでしょう。
お菓子づくりであれば、シナモンシュガーでの代用もできます。シナモンシュガーは、砂糖1カップに対しシナモン大さじ2の割合が一般的ですが、メーカーによって多少異なります。
シナモンスティックをパウダーに砕く方法
シナモンスティックをシナモンパウダーにするには、コーヒーミルやミルサー、ミキサーなどを使って粉砕すると手軽にできます。また、ビニール袋に入れて叩いて潰し、さらに細かくしたい場合は、すり鉢でする方法もあります。
使用する機会が少なくどちらか一つを持つなら、パウダーにすることもできるシナモンスティックを持つのがよいでしょう。パウダーは空気に触れる部分が多くなるため、シナモンスティックよりも劣化が早くなります。
3.シナモンスティックの使い方
スパイスには香りや辛味、色の他に、臭みを消すなどの効果がありますが、シナモンスティックも、飲み物に使うのをはじめ、さまざまな使い方があります。
シナモンスティック定番のコーヒー
おそらく最もポピュラーなのは、コーヒーを数回かき混ぜて香り付けをする使い方。ソーサーと上に乗せてコーヒーと一緒にいただくことで、少し優雅に見えて贅沢な気分になりますよね。香りの強いコーヒーにはカシアを合わせるのがおすすめです。
紅茶やチャイをシナモンスティックで香り付け
シナモンスティックをマドラー代わりに使って、紅茶やチャイに香り付けをしましょう。紅茶には繊細な香りのセイロンシナモンがおすすめ。香りをしっかりとつけたい時は、シナモンスティックを折ったものを煮出しして使うといいですよ。
ホットワインはアルコール苦手な人にも
温める過程でアルコール分が飛ぶため、アルコールが苦手な人でも楽しめるホットワイン。白ワインでも赤ワインでも、シナモンスティックを加えることで、香りの引き立つワインを楽しめます。シナモンの体を温めてくれる効果で、特に冬のホームパーティでは活躍してくれそうですね。
カレーなどの煮込み料理の下味付けに
シナモンスティックは、カレーやシチュー、洋風の煮込み料理、鍋などの下味付けとして使用できます。そのままで使うよりも折って使った方が香りや風味が出るため、料理に使う場合は、2つか3つに折って使いましょう。少し意外ですが、肉や魚の臭みを消してくれるため、しょうゆ味の煮魚などにも合いますよ。
煮込み料理に使う場合はカシアで充分です。カレーやシチューに入れる場合は煮込みの段階で入れ、ルーを入れる前に取り出しましょう。いつもと少し違った風味を楽しんでください。
シナモンと相性抜群の焼きりんご
シナモンはりんごとの相性も抜群。りんごの芯をくり抜いたところへ、バターとともにシナモンスティックを刺します。白ワインを使って蒸し焼きにすると、りんごが上品な仕上がりになりますよ。シナモン風味の焼きりんごを丸ごと楽しんでみてはいかがでしょうか。
アイスクリームなどのデザートの仕上げに
特有の甘い香りは、アイスクリームなどデザートの仕上げにもよく合います。そのまま添えてもパウダーにしてふりかけても。ケーキやパイなどのお菓子やコンポートにも、最適なスパイスとしてよく使われています。デザートに使う場合は、香りが繊細なセイロンシナモンスティックを使うのがおすすめ。
防虫効果やゴキブリ対策にも
虫や鳥類はシナモンの匂いを嫌うこともあります。シナモンスティック1本を衣類のポケットに入れたり、5本を束にして布製の袋に入れたものをハンガーに吊るしたりすると、防虫効果にもなりますよ。吊るす場合は衣類5枚に対して布製の袋1つの目安です。半年で取り替え時期になるため、衣替えの度に替えるとよいでしょう。
ゴキブリはハーブが苦手と言われていますが、その中でもシナモンはクローブに次いで効き目があると言われています。ゴキブリの通りそうなところに置いておきましょう。ただし遠ざける効果はあっても殺傷効果はありません。見かけても殺したくない場合におすすめです。
4.シナモンスティックをうまく日常に取り入れておしゃれ生活を
コーヒーや紅茶を混ぜるものというイメージのあるシナモンスティック。飲み物の香り付け、煮込み料理、デザートの仕上げといった主な使い方の他にも、防虫効果としても使えたり、思いのほか使い道がありますね。女子に人気のスパイスでもあるシナモンは、おうちカフェでも使えるアイテム。上手く日常生活に取り入れて、友達を招待してみてはいかがでしょうか。