ウインナーコーヒーとは、コーヒーの上にふんわりと泡立てたクリームをトッピングした飲み物のことです。
ウインナーと聞いてソーセージを想像する方もいるかもしれませんが、ウインナーコーヒーのウインナーは、カフェ文化の歴史が深いオーストリアの首都・ウイーンが由来です。
そんなウインナーコーヒーの作り方やアレンジ方法をご紹介します。
1.ウインナーコーヒーについて
ウインナーコーヒーのウインナーから、ソーセージを連想してしまう人はいませんか?もちろん、ウインナーコーヒーとウインナーとはまったく関係ないのですが、それではどうしてウインナーコーヒーと呼ばれるのでしょうか?
まずは、ウインナーコーヒーとはどういったコーヒーなのか、特長や名前の由来について確認していきましょう。
ウインナーコーヒーとはどんなもの?
ウインナーコーヒーは、コーヒーの上にふんわりと泡立てたクリームをトッピングしたもの。クリームの甘さやコクに負けないように、深煎りのコーヒー豆を使い、より濃く抽出されたコーヒーを使います。
クリームをスプーンですくって食べながらコーヒーを飲むも良し、クリームとコーヒーを混ぜて飲むもよし、そのまま飲んで少しずつ変化する味わいを楽しむも良し。人それぞれ、さまざまな飲み方で楽しめるのが特長です。
ウインナーコーヒーの名前の由来
ウインナーコーヒーのウインナーは、カフェ文化の歴史が深いオーストリアの首都・ウイーンが由来。つまりウインナーコーヒーとは、ウイーン風のコーヒーという意味なのです。
ウイーン風とは言いながら、実はウインナーコーヒーという飲み物はオーストリアにはありません。その代わり、アインシュペンナーをはじめ、オーストリアにはクリームをトッピングしたコーヒーがいくつか存在します。
そのため、オーストリア・ウイーンを象徴するコーヒーとの意味を込めて、日本ではクリームをトッピングしたコーヒーをウインナーコーヒーと呼ぶようになったようです。
クリームは蓋の役割?
ウインナーコーヒーのように、コーヒーにクリームを乗せる習慣は、中部ヨーロッパで強大な勢力を誇ったハプスブルク家の時代に始まったとされています。
貴族から庶民へとコーヒー文化が浸透しつつあった時代。仕事の休憩中にコーヒーを飲んでいた馬車の御者たちが、次の休憩までにコーヒーが冷めないよう、クリームの油分でフタをしたのが起源だと言われています。保温の他、馬車に乗っている間もコーヒーがこぼれないように考え出されたという説もあります。
2.ウインナーコーヒーの作り方
見た目も味わいもリッチなウインナーコーヒー。自宅でもぜひ楽しみたいと考える人も多いのでは?
そこで今回は、美味しいウインナーコーヒーの作り方をご紹介します。
ウインナーコーヒーの基本的な作り方
ウインナーコーヒーではクリームの準備が不可欠。まずは事前準備として生クリームを泡立てておきましょう。砂糖の量はお好みでかまいません。
1.コーヒーカップにグラニュー糖(もしくはザラメ)5gを入れる。
2.コーヒーを120ccほど抽出してコーヒーカップに注ぎ、よく混ぜる。
3.コーヒーの上に生クリームを浮かべる。
コーヒー豆はできるだけ深煎りのものを選んで、できるだけ濃く淹れるのがおすすめです。コーヒーの苦みや香りが生クリームのコクをさらに際立たせ、プロの味に近づきます。
ホイップクリームではなく生クリームを
クリームには、動物性脂肪を原料とした乳脂肪分18%以上配合の生クリームと植物性脂肪を原料としたホイップクリームがあります。リーズナブルに入手できるホイップクリームも魅力ですが、ウインナーコーヒーにはコクのある生クリームのほうが最適です。
ホイップクリームは植物性脂肪を使っているとあって、あっさりした味わい。軽さを好む人もいますが、コーヒーに乗せると分離しやすいというデメリットも。一方、生クリームは濃厚なコクと自然な甘み、そしてくちどけの良さが特長。少量でもしっかりとした味わいを楽しめ、コーヒーとの相性も抜群です。
泡だて器をお持ちではないなど、クリームを用意するのが難しい時には、マシュマロで代用することも可能です。マシュマロは熱いコーヒーにトッピングするとサッと溶け、とても手軽に濃厚なコクや甘みをプラスできます。生クリームとマシュマロとでは風味が若干異なりますが、覚えておいて損はありません。
3.ウインナーコーヒーの簡単アレンジ
ウインナーコーヒー発祥の国・オーストリアには、クリームだけではなく、様々なトッピングでコーヒーを彩る文化があります。自分なりのアレンジで、ウインナーコーヒーをもっと楽しんでみてはいかがでしょうか?
それでは最後に、手軽で簡単なウインナーコーヒーのアレンジレシピをご紹介します。
クリームにスイーツアイテムをトッピング
もっとも簡単なアレンジ方法が、クリームの上にチョコレートソースやシナモンパウダー、クラッシュナッツ、キャラメルソースなどをトッピングするもの。
お好みの材料をお好みの量だけトッピングすればOK。ただそれだけでウインナーコーヒーに新しい風味をプラスしてくれます。トッピングの内容によってはスイーツ感が増すので、ケーキを食べるような感覚でいただくこともできます。
また、クリームだけだとモノトーンのシンプルな見た目になるウインナーコーヒーですが、トッピングによって瞬く間にフォトジェニックに変身。ワクワク感もあるので、友人を招いた時などにもぴったりです。
アイスで味わう
暑い夏にウインナーコーヒーを楽しむなら、アイスコーヒーを使うのもおすすめ。通常どおりコーヒーを淹れたら氷か冷蔵庫で冷やし、クリームを乗せれば完成です。コーヒーを抽出する際は、氷で薄まることを想定し、ホットよりも濃いめに抽出します。
アイスウインナーコーヒーの場合、注意したいことが一つあります。それは、生クリームがアイスコーヒーに溶けにくいこと。コーヒーとクリームが溶けあうのを楽しみたい場合にはやや不向きと言えるでしょう。
けれど、アイスウインナーコーヒーなら、コーヒーの風味とクリームのコク、それぞれのコントラストをしっかりと味わえます。ムシムシした季節にすっきりしたコーヒーを味わいたいけれど、まろやかさもプラスしたい人に、ぜひ試してほしいアレンジです。
作り方のポイントは、生クリームをやや柔らかめに泡立てておくこと。ストローだけでも飲みやすくなりますよ。
アルコールをプラス
ウインナーコーヒーにアイリッシュウイスキーを混ぜたアイリッシュコーヒーは世界中で人気のドリンク。アイリッシュウイスキー以外にも、芳醇な香りを楽しめるウイスキーやブランデー、リキュールなどを使うと、大人のコーヒータイムにぴったりの1杯に。
くわえる量の目安は1杯(約140ml)あたり30mlほど。鍋などで軽く温めたアルコールドリンクをコーヒーカップに注いでおくだけで、あとの手順は通常と同じです。
アルコールドリンクの香りは好きだけどアルコール分は気になるという場合には、アルコールドリンクを温める際、鍋で軽くフランベしておくと良いでしょう。アルコールを適度に飛ばすことができます。
4.ウインナーコーヒーで至福のひと時を
甘さと苦さを同時に味わえるウインナーコーヒー。クリームが好きな人はもちろん、コーヒーにあまり慣れていない人でも飲みやすい口当たりの良さも魅力です。
クリームさえ準備できれば、自宅でも気軽にプロの味を再現できます。今度の週末にはぜひウインナーコーヒーに挑戦してみてくださいね。