カフェルンゴとは、エスプレッソを2倍の水量で抽出したものです。この記事では、カフェルンゴの由来やエスプレッソとの違い、作り方、飲み方などを解説しています。カフェルンゴについて知りたい人や作ってみたい人は、ぜひご覧ください。
1.カフェルンゴの由来やエスプレッソとの違い
まずはエスプレッソについてやカフェルンゴの由来、それぞれの違いについて解説します。
そもそもエスプレッソとは
エスプレッソとは、エスプレッソ専用のマシンで、圧力をかけて短時間で抽出したコーヒーのこと。1杯分は約30mlと少量ですが、その30mlにコーヒーの風味が凝縮されています。
カフェルンゴの由来
ルンゴ(lungo)はイタリア語で「長い」という意味です。カフェルンゴは、通常の2倍程度の水量で抽出します。水量が2倍のため、抽出時間も2倍ほど長くなります。エスプレッソよりも抽出時間が長いことから、ルンゴと呼ばれるようになりました。
カフェルンゴとエスプレッソの違い
カフェルンゴの水量がエスプレッソの2倍なので、コーヒーの濃さも半分になってしまうのかというと、そうではありません。コーヒーの成分は、すべて同じ速度で抽出されるわけではなく、苦味成分は抽出時間が長いほど濃くなります。つまりエスプレッソよりもカフェルンゴの方が苦味があるのです。
2.カフェルンゴの作り方とおすすめの飲み方
カフェルンゴの作り方やカップ、おすすめの飲み方を紹介します。
作り方
カフェルンゴの作り方は、エスプレッソと同じです。エスプレッソマシンを使って抽出します。コーヒー豆の焙煎度合いは中深煎り~深煎りがおすすめ。
コーヒー粉の量はエスプレッソと同じですが、水の量は約2倍です。タンクに水を入れ、エスプレッソマシンにセットし、マシンの電源を入れます。
エスプレッソマシン1杯分のコーヒー豆を極細挽きにして、フィルターに入れ、フィルターの側面を軽くトントンしてコーヒー粉を平らにしてください。その後、タンパーを使ってフィルター内のコーヒー粉を押し固めましょう。
エスプレッソマシンの抽出ボタンを押し、抽出口をすすいだり、温めたりしてください。最後に抽出口にフィルターをセットして、カップを置き60mlほど抽出したらカフェルンゴの出来上がりです。抽出時間は40秒〜1分ほどかかることもあります。
カフェルンゴのカップ
カフェルンゴは、レギュラーカップなどに淹れましょう。エスプレッソを淹れることが多いデミタスカップですが、カフェルンゴの量だと溢れる恐れも。
またカフェルンゴには、専用カップもあります。容量が150~170mlと、レギュラーカップよりも大きめなので、ぜひ使ってみてください。
ストレートで飲む
まずは何もくわえず、カフェルンゴを飲んでみてください。エスプレッソと比べると、苦味が強いですが、すっきりとした飲み心地を味わえるでしょう。水量を増やすことによって変わる、コーヒーの風味をお楽しみください。
砂糖やミルクをくわえる
本場イタリアでは、エスプレッソに砂糖をくわえて飲む人が多いようです。カフェルンゴの苦味が気になる人は、砂糖やミルクをくわえて、飲みやすくしてみましょう。ただし、ミルクのくわえすぎには気をつけて。ミルクは少しずつくわえるのがポイントです。
レモンと氷で爽やかに
暑い日はレモンの香りが爽やかなマザグランにして、カフェルンゴを楽しみましょう。レモンジュースの入ったグラスに、カフェルンゴを注ぐだけで簡単に作れます。
<材料>
・レモンジュース20ml
・水20ml
・ガムシロップ20ml
・氷適量
・カフェルンゴ1杯分
<作り方>
まずグラスにガムシロップを入れます。別のグラスにレモンジュースと水を入れ、混ぜ合わせましょう。混ぜ合わせたレモンジュースと水を、ガムシロップの入ったグラスに層を作るように、ゆっくりと注ぎます。そして氷をくわえ、エスプレッソマシンでカフェルンゴを注ぎ、かき混ぜるだけ。仕上げにお好みで、レモンの皮を添えたら完成です。
3.カフェルンゴに似た飲み物
エスプレッソにはカフェルンゴの他にも、エスプレッソの量を増やしたり、抽出する水の量を減らしたり、お湯をくわえたり…といった飲み物も。こちらではカフェルンゴに似た飲み物について解説します。
ドッピオ
ドッピオは、エスプレッソを2杯入れたコーヒーです。イタリア語でダブルという意味から、ドッピオと呼ばれるようになりました。ちなみにエスプレッソ1杯分は「ソロ」と呼ばれています。ソロは、コーヒー粉6〜12g程度で30mlくらい。ドッピオの場合はコーヒー粉12~24g程度で、60mlくらいとなります。
リストレット
リストレットは、カフェルンゴとは逆で、エスプレッソよりも水量を減らしてエスプレッソマシンで抽出するコーヒーのこと。エスプレッソとコーヒー粉の量は同じなので、エスプレッソよりも濃度が濃いです。
エスプレッソのソロは、30mlくらいの水量で抽出しますが、リストレットの水量は15〜20mlほど。水量が少ない分、抽出時間も短くなります。エスプレッソと比べると、苦味が少なくコクのあるコーヒーです。
アメリカーノ
アメリカーノは、エスプレッソにお湯をくわえたコーヒー。「エスプレッソ 1:お湯 3」の割合で、作られることが多いです。ドリップコーヒーに似た味わいで、ソロのエスプレッソよりも軽い飲み心地になります。すっきりとしていて、飲みやすいのが特長です。エスプレッソの香りはそのままで、やわらかい口当たりが楽しめます。
またアメリカーノとアメリカンコーヒーを混同する人が多いですが、アメリカーノとアメリカンコーヒーは、コーヒー豆の焙煎度や抽出方法などが違います。アメリカンコーヒーは、浅煎りのコーヒー粉をドリップしたコーヒーです。混同しないように気をつけましょう。
ロングブラック
ロングブラックは、お湯にエスプレッソをくわえたコーヒー。アメリカーノとくわえる順番が逆です。順番が違うだけで、風味も変わります。
エスプレッソには、クレマという泡がありますが、ロングブラックとアメリカーノの風味の違いは、このクレマによるものです。エスプレッソにお湯をくわえるアメリカーノは、クレマがすぐになくなるのですが、ロングブラックにはクレマが残り続けるため、アメリカーノよりも風味が強く感じられます。
4.カフェルンゴと似た飲み物を飲み比べてみよう
エスプレッソは水量やお湯をくわえる順番を変えるだけで、風味が変わる奥深いコーヒー。まずは今回紹介したカフェルンゴをぜひお試しください。そしてソロやドッピオ、リストレット、アメリカーノ、ロングブラックなどと風味を飲み比べてみるのも楽しいでしょう。優雅なコーヒータイムをお楽しみください。