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純喫茶の”純”の意味は?定義や楽しみ方・各地の特長を紹介

純喫茶とはお酒の提供がなく、純粋にコーヒーを楽しむための喫茶店のことを言います。現代は、美味しいコーヒーを楽しめるお店が数多くありますが、喫茶やカフェなど呼び方の違いを不思議に感じたことはありませんか?今回は、純喫茶の定義や各地域の特長などを紹介します。

1.純喫茶の”純”の意味は?

古き良き日本の、喫茶店ブームの名残りを感じる純喫茶は、近年若い世代を中心に注目されるスポットになっています。純喫茶巡りを趣味とする人もおり、純喫茶の魅力をまとめた書籍もあるほど。ところで、純喫茶の”純”にはどんな意味があるのでしょうか。純喫茶の定義や歴史に鍵があるようです。

純喫茶の定義

純喫茶ではお酒の提供がなく、純粋にコーヒーを楽しむための喫茶店のことを言い、昭和の始め頃には登場していたようです。もちろん喫茶店はそれより以前、明治から登場しています。カフェが多くなった現代では、昭和レトロの香りが漂う懐かしいスポットにもなっています。

純喫茶&喫茶店とカフェの違い

お酒の取り扱いについて触れましたが、法律上でもこの違いは、喫茶とカフェを区別するのに大きなポイントです。

というのも、純喫茶&喫茶店とカフェとでは営業許可の種類が異なります。純喫茶や喫茶店の営業に必要なのが喫茶店営業許可で、カフェ営業は飲食店営業許可が必要です。飲食店営業許可はお酒の提供が許可されています。

ただ、喫茶店の営業許可を受けていることと、店名や肩書をどうするかは別です。喫茶店営業許可でもカフェという名のお店もありますし、反対に飲食店営業許可でも喫茶店という名で営業しているお店もあります。

純喫茶の歴史から見る喫茶店との違い

お酒の提供はできないものの、コーヒーや紅茶などのソフトドリンク、ケーキやお茶菓子、サンドイッチなどの軽食も味わうことができます。
では、喫茶店と純喫茶の違いはなんでしょうか。
日本に喫茶店が登場したのは1888年(明治21年)、東京下谷に開店した可否茶館です。こちらは4年後に閉店しましたが、1911年(明治44年)に銀座にカフェ・プランタンなどの名店が誕生したのを皮切りに喫茶店が急増します。

昭和初期には東京のカフェは7000軒にものぼり、多くの女給と呼ばれるスタッフが働いていました。そうした喫茶店ではサービスがどんどんと多岐におよび、お酒を提供していたほか、接待を伴うようなお店さえあったそうです。
そんな中で登場したのが、純喫茶。コーヒーと関連のないサービスを設けず、純粋にコーヒーを楽しむお店として、純喫茶と喫茶店が仕分けられるようになりました。純喫茶の”純”は、純粋の”純”からきているのですね。

2.純喫茶の魅力と楽しみ方

コーヒーや紅茶を純粋に楽しみたい人のために誕生した、純喫茶。おしゃれなカフェが続々と誕生する中で、昭和レトロの香りを秘め続ける魅惑の空間です。静かで洗練された純喫茶も多く、入るのに勇気がいる場合もありますよね。純喫茶の楽しみ方を紹介します。

ゆっくりと流れる一人時間

純喫茶の魅力は、落ち着いたお店が多いことです。本を片手に一人ゆっくりと寛げます。コーヒー1杯でどれくらい読書していて良いのか、というのがしばしば不安になったり論議になったりしますが、お店やほかのお客様の迷惑にならない範囲で穏やかな時間を楽しみましょう。

マスターとの会話で世界が広がる

純喫茶にはマスターがいて、カウンターの向こうで美味しいコーヒーを淹れてくれます。もし、お店が混んでいないなど条件が許すなら、マスターに話しかけて会話を楽しむのもいいかもしれません。コーヒーの豆知識を教えてもらえるなど、コーヒーの世界が一気に広がります。

こだわりのコーヒー

純喫茶の多くは、コーヒーや紅茶にこだわりを持っています。現代の大手カフェで多く見られる機械式ではなく、ネルドリップやサイフォンで一つずつ丁寧に淹れてくれるお店も多いです。

喫茶店でドリンクを頼まず、ケーキやお茶菓子のみを注文するのはマナー違反かという論議を見かけることがありますが、お店によってルールは違い1人1杯をお願いしているお店もあります。ワンドリンク制だけでなく、おしゃべり禁止などそれぞれのルールを設けている場合がありますので、お店のルールやマナーを訪問時に確認すると良いでしょう。

3.各地の純喫茶の特長は?

昭和初期には存在していたという純喫茶。喫茶店は時代とともに、例えばジャズ喫茶や漫画喫茶などさまざまな形態へと変化しましたが、純喫茶もまた地域によって独自の発展をしたようです。各地の純喫茶の特長を紹介します。

人々が集う東京の純喫茶は千差万別

日本初の喫茶店(カフェ)がオープンした東京は、やはり多くの人が住まう土地らしく、お店ごとで違う雰囲気が楽しめます。

レトロをキーワードにしながらも、広いスペースに席がずらりと並び大衆向けだったことを感じさせるお店から、文化人が集ったであろう歴史が感じられるクラシックで洗練されたお店まで、魅力満載です。数も多いので、純喫茶巡りをしてみてはいかがでしょうか。

定番が生まれた街?大阪の純喫茶

大阪の喫茶店は、高度経済成長期の時代に増えたといわれます。当時はコーヒーを楽しむ場所であるとともに、商談や打ち合わせを行う場所でもあったようです。

喫茶店で当たり前のように出てくるおしぼりや、自由に読めるよう置かれている新聞のサービスは、大阪が発祥とされていて、定番メニューの一つであるミックスジュースは、大阪を代表する喫茶の名店「千成屋珈琲」が最初に作って提供したと伝えられています。

モーニングが進化した名古屋の純喫茶

喫茶店文化が発展し根付いた街といえば、名古屋です。

サービスが充実した名古屋のモーニング文化は、名古屋を本拠地とするカフェの県外出店などもあって広く知られるようになりました。

名古屋の喫茶店では、コーヒーをオーダーするとゆでたまごやトースト、ナッツ類が一緒にモーニングというサービスで提供され、その味がお店のシンボルになっている喫茶店も豊富にあります。

4.純喫茶で味わう格別のコーヒー

ーヒーが日本に伝来したのは江戸時代後期とされますが、一般に普及したのは明治や大正の時代でした。いつの時代もコーヒーを片手に思い思いの時間を過ごす人々がいたと思うと感慨深いですね。喫茶の定義がどんどんと幅広くなる中で生まれた、純粋にコーヒーを味わうための純喫茶だからこそ、コーヒーへの愛着も強く感じます。タイムスリップしたかのような純喫茶のレトロな空間で、こだわりのコーヒーを楽しんでくださいね。

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