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コロンビアコーヒーはバランスの良い味わい。家庭でも美味しく飲める淹れ方を紹介

コロンビアコーヒーは酸味と甘味のバランスが良く、ブレンドのベースとして使われることが多いコーヒー豆です。長い歴史を持ち、コーヒー栽培に適した豊かな土壌で育ち、地域別に風味が異なるのも特長の一つ。この記事では、コロンビアコーヒーの歴史や栽培環境、コロンビアコーヒーの特長、美味しい飲み方などを紹介します。

1.コロンビアコーヒーについて

まずは、コロンビアコーヒーの基礎知識をチェックしてみましょう。歴史や生産方法、ランク付けについて解説していきます。

歴史

南米の北端に位置するコロンビアでコーヒーが誕生したのは、1730年~32年頃まで遡るとされています。東部のタバヘにあるキリスト教修道院に植えられ、その後コロンビア国内にあるキリスト教関連施設へと広がっていったのです。1835年になって、初めてコロンビアコーヒーの輸出が行われました。

1927年にはコーヒー生産者の手によって「コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)」が設立。以降、コロンビアコーヒーの品質の良さは世界から評価されるようになりました。コロンビアのコーヒー産業は、現在でも国の輸出の要となっています。

生産状況

コロンビアのコーヒー農園は、小規模な農園が多いのが特長と言えるでしょう。機械化が進んでいないため、ほとんどの工程を手作業で行っているのもポイントです。コーヒーの生産量は年間で約75万トンにもおよび、2018年にはブラジル、ベトナムに続く世界第3位となっています。

生産されているコーヒーは、コロンビアコーヒー生産者連合会がスクリーニングとグレーディングを行っているのです。品質の評価体制は独特ながらも徹底されており、これが世界有数のコーヒー生産大国に君臨し続ける理由の一つなのかもしれません。

格付け

コロンビアコーヒーのランク付けは、スクリーンサイズによって決められています。最高ランクは、スクリーン17以上のエクセルソ・スプレモ。スクリーン14以上のものはエクセルソ・UGQとランク付けされます。13以下のスクリーンサイズのものは輸出せず、国内流通用としてコロンビアで消費されるのも特長的です。このことから、海外に渡るものは上質なコロンビアコーヒーのみと言えるでしょう。

2.コロンビアコーヒーの木の栽培環境

コロンビアコーヒーは、アンデス山脈に沿った地域で栽培されています。ここからは、コロンビアコーヒーの木の栽培環境を詳しく見ていきましょう。

高地

コロンビアコーヒーの栽培のほとんどは、標高900m以上の高地で行われています。高地は基本的に気温が低く、コーヒーの木はゆっくりと時間をかけて育っていくのです。また、日中と夜間で寒暖差があるためコーヒーの実がギュッと引き締まるのもポイント。高地だからこそ実現する気候が、コロンビアコーヒーの豊かな風味を作っているのです。

土壌

標高が高い地域の土壌は、火山灰が多く含まれています。灰と聞くと植物に悪そうと思うかもしれませんが、実はその逆。火山灰は保湿力に優れ根を伸ばしやすいため、乾季でも十分な栄養を行き渡らせてくれるのです。

また、火山灰には硫黄も含まれています。硫黄はコーヒーの実が育つ段階で、香りのもととなる重要な役割を持っているのです。

降雨量と日射量

コーヒーの木を育てるには、雨季と乾季の両方が必要になるため、栽培できる地域は限られてきます。コロンビアの降水量は年間で約2,000㎜前後。乾季には十分な日照があるためコーヒーの木の栽培には非常に適しているのです。

雨量と同様に、日照量にも適切な水準があるのをご存知でしょうか。アンデス山脈では年間1,600~1,800時間の日照量で良質なコーヒーが栽培可能とされているので、日照量の多い地域ではシェードを使用した栽培が行われていることもあります。

3.コロンビアコーヒーの地域別の特長

日本のおよそ3倍の面積があるコロンビア。コロンビアコーヒーは3つの地域で、年間を通して生産が行われています。ここでは、3つの地域ごとのコロンビアコーヒーの特長を紹介します。

北部

カサナレ、マグダレナ、サンタンデール、ノルテ・デ・サンタンデールといった北部の地域は、標高が900〜1,300mと低いのが特長です。気温は高めで日照時間が長くなるのですが、豊富な原生林が天然のシェードとなって、コーヒーの木を日差しから守ってくれます。収穫は、10月から2月の間です。

味わいは、キレのある爽やかな酸味とナッツのようなコクが共存しているのがポイント。また、チョコレートのような芳香な香りも兼ね備えています。

中部

カルダス、キンディオ、アンティオキア、リサラルダ、ノルテ・デ・ヴァジェ、ノルテ・デ・トリマ、クンディナマルカが該当する中部地方は、コーヒー栽培にとって理想的とされる1,300〜1,700mの標高に位置します。雨季と乾季があり、肥沃な土壌を有しているため年間を通してコーヒーの実が収穫可能。そのため、収穫は9月から12月の1期と、4月から6月のミタカと呼ばれる2期に分かれています。

味や風味の特長は、なんと言ってもバランスの良さでしょう。酸味や苦味、コクと香り、どれをとってもバランスが良く、安定感に優れています。

南部

カウカ、ナリーニョ、ウイラ、スール・デ・トリマといった南部は、赤道に近い地域です。1月から6月にコーヒー豆が収穫されるこの地域の標高は、1,800〜2,300mと3つの地域の中でも最も高いもの。標高が高い分、気温は低くなっています。気温の低い地域のコーヒー豆は、ゆっくりと育ちながら糖分を実に蓄えていくのが特長的です。南部で収穫されるコロンビアコーヒーは、柑橘類のような甘い香りとまろやかな酸味が味わえます。

4.家庭でも美味しく飲めるコロンビアコーヒー

お家でもコロンビアコーヒーを楽しんでみませんか。美味しい淹れ方と相性の良いお菓子で、コーヒータイムをより上質なひと時にしましょう。

コロンビアコーヒーの淹れ方

コロンビアコーヒーはフルーティーさと芳醇な甘みで、苦味やコクがやわらかいのが特長。酸味も強過ぎず安定感があるので、ブレンドのベースとしても使用しやすいです。焙煎度は好みによっても分かれますが、ミディアムロースト~フルシティーローストが飲みやすいとされています。飲み方で特におすすめなのは、濃厚な味が楽しめるエスプレッソです。

エスプレッソマシンに水をセットしておき、コーヒー粉を6~9g程度入れます。コーヒー粉を平らしてから、エスプレッソマシンにセットして抽出すれば完成です。

コロンビアコーヒーに合うお菓子

コロンビアコーヒーのお供におすすめのお菓子は、ナッツ類が含まれたものです。コロンビアコーヒーの香りとナッツの香ばしさがマッチして、豊かな風味を楽しめるでしょう。チョコレートにはナッツが含まれているものも多く販売されているので、ぜひ試してみてください。

5.3つの地域のコロンビアコーヒーを飲み比べてみましょう

コーヒーの木を栽培するのに最適な環境のコロンビア。3つの地域でコーヒーの木を栽培することで、年間を通してコーヒー豆の生産を可能にしています。地域によって栽培環境が異なることで、コーヒーの風味が変わるのもユニークですね。ぜひ3つの地域のコーヒーを飲み比べて、コロンビアコーヒーを楽しんでみてください。

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