飽くなき上質への追求が
“きれいなコーヒー”を生み出す
キャピタル 株式会社社長 栗田鏡子
百貨店でのコーヒー豆の販売、カフェ運営を中心に、紅茶・ハーブティーや菓子、マグカップなどの関連商品まで幅広く取り扱うキャピタル。高級コーヒーの代表格であるエメラルドマウンテンをいち早く取り扱うなど、戦後から上質なコーヒーを日本に紹介してきた。現在社長を務めるのは2代目の栗田鏡子氏。世界の生産地で行われる「カップオブエクセレンス(COE)」の国際審査員も務める同氏にキャピタルのこだわりを聞いた。
戦後すぐに百貨店でコーヒーを販売
キャピタルは、1946年と戦後すぐのタイミングで創業。現社長の親族であり、先代の創業社長でもある栗田昌彦氏が百貨店内でコーヒーの販売をスタートしたことが会社の始まりだ。
それまで日本国内ではコーヒーの認知度が高くなかった。そのため、百貨店でもザルに入れられて販売されることも多かったが、ほこりがついてしまうという理由から工夫をこらしたガラスケースの中に入れて販売を開始。他にも、主に業務用に販売されていたコーヒーを、家庭でも身近に楽しんでもらえるよう、スタンドカフェでハンドドリップのコーヒーを提供したり、コーヒー文化の普及・発展に貢献してきた。
「上質なコーヒー・紅茶を世界から」が信条
1988年には、ブラジルに自家農園を取得。これは、「コーヒーを扱っている以上、生豆の生産量が最も多いブラジルにコーヒー農園を持ちたい」という昌彦氏の念願叶ってのことであった。自家農園という強みを生かし、その当時から、糖度の高いコーヒーチェリーを手摘みするという収穫方法を農園側にオーダー。上質なコーヒーを日本に輸入するための取り組みが業界内で評判を呼び、翌年には、コロンビアのエメラルドマウンテンを世界に先駆け日本で、当初独占で扱うことになった。創業以来73年にわたって、上質なコーヒーを求めて、自家農園をはじめ、厳選した各国の農園と取引を続けている。
「高級品、通好みのものを扱う多くの百貨店さんで、長年にわたってコーヒーを紹介してきたというのが、ご信頼やご支持をいただいているベースだと思います。様々な国の生豆を扱うにあたり、最高級、希有なものを厳選して仕入れています」と2代目社長の鏡子氏は語る。
生豆に焙煎、ドリップにこだわった結果、
“きれいな味のコーヒー”ができた。
上質なコーヒーチェリーを栽培する農園を求めて
世界中の上質なコーヒーを求めるスタンスは現在も変わらない。そのための情報収集も抜かりなく、自家農園を持つブラジルでのネットワークはフルに活用し、また各国の優れた農園の情報はすぐに入ってくるよう現地などの関係者とも定期的に連絡をとっているという。鏡子氏自ら、年に多い時は5~6ヵ国は訪れ、味はもちろんのこと、農園主のコーヒーに対する愛情や、対面でのコミュニケーションを大事にするのも特徴だ。それは一度取引を始めたら長く続けたいという想いと、キャピタルが求めるクオリティーを伝えるための作業でもある。契約している農園では、土地の一角をキャピタルのためだけに作ってもらうほどクオリティーチェックは厳しい。
低温・長時間焙煎をマニュアルで
昌彦氏の手焙煎から始まったキャピタルの焙煎は、今も昔ながらのハンドメイドを貫く。大手コーヒーメーカーが高温・短時間で効率的に焙煎を行うのに対して、低温・長時間で、生豆の様子をじっくりとうかがいながら職人が五感を生かして調整。様々な焼き具合に対応しているものの、大事にしているのはミディアムロースト。これは少しズレると酸味が多く出てしまうなど、最も難しいポイントと言われる。ただ、「COE」のカッピングもミディアムローストで行われることから分かるように、生豆の良し悪しが一番分かる焼き具合であり、生豆にこだわるからこそ、キャピタルの焙煎もミディアムローストを真骨頂とする。
“きれいなコーヒー”となったのは、結果論
自家農園における豆の栽培から、厳選した農園からの生豆の輸入や職人による焙煎、店頭でのハンドドリップによる販売まで一気通貫で行うキャピタルがかかげるコンセプトは「きれいな味のコーヒー」。
ただこれは、創業以来、上質なコーヒーを日本国内に届けるため先進的な取り組みを続けた結果、「キャピタルはきれいな味」とお客さんから多数言ってもらったことがきっかけ。冷めても美味しく、普段砂糖やミルクを入れないと飲めない人でも、キャピタルならブラックでも飲めるそうだ。これからもお客さんから「きれいな味」と言ってもらえるよう、コーヒーの木の栽培から生豆の仕入れ、焙煎にドリップまで「上質なコーヒー」を求めるキャピタルの挑戦は続く。
Product商品詳細
キャピタル 株式会社エメラルドマウンテン ストレート
(180g)1,782円(税込)
- 価格は取材時点のものになります
コロンビアで収穫された生豆のなかでも、最高品質のものにのみ与えられる “エメラルドマウンテン”の名を冠したストレートコーヒー。香り高く、柔らかな酸味と甘味が味わえる。1989年の誕生以来、長きにわたり親しまれているキャピタルの看板商品のひとつ。
Company会社情報
会社名 | キャピタル 株式会社 |
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住所 | 113-8601 東京都文京区本駒込6-1-9 |
電話 | 03-3944-1511 |
FAX | 03-3944-1524 |
営業時間 | 8:45〜17:45 |
定休日 | 土、日、祝日(繁忙期を除く) |
HP | https://www.capital-coffee.co.jp/ |