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珈琲人名鑑

経営者としてこだわるのは
徹底した品質管理と変わらぬ味

第一コーヒー 株式会社代表取締役 社長 高橋良祐

外国食材の卸売業からスタートした家業を、創業者とともに発展させてきた第一コーヒーの2代目社長、高橋良祐氏。コーヒー先進国と言われているヨーロッパを視察して、今後の自社のあり方を考察するなど、広い視野でコーヒー業界の未来を見据えている。今回は同社が強みとしているコーヒー豆の品質保証と先代から守っているコーヒーの味わいについて話をうかがった。

外国食材の卸売業に始まり、直営店喫茶も経営

第一コーヒーの前身は、現代表取締役を務める高橋良祐氏の父である三男氏が、戦前に横浜で立ち上げた外国食材の卸売業に遡る。戦後、三男氏は浅草・上野の洋食屋やミルクホールに外国食材を卸しており、そのなかで主要な食材のひとつがコーヒー豆だった。

その後、三男氏はコーヒーの焙煎を始め、1950年に第一コーヒーを創業。2代目の良祐氏は、夏場、40度近くになる部屋で焙煎を行う父の背中を見て育った。1983年に良祐氏が家業を継いでからは、卸売業にくわえて都内3ヵ所に直営喫茶店「First」を展開。1990年には静岡県牧之原市に1日1トンのコーヒー豆を取り扱う焙煎加工工場を新設した。

ヨーロッパで日本のコーヒー市場の未来を探る

家業を継いで約40年。コーヒーと長く向き合ってきた良祐氏は、日本のコーヒー市場の変化を感じているという。日本のコーヒー需要は戦後70年で大幅に拡大。ここ数年では、コンビニコーヒーが広まりコーヒーの提供場所が増えた。そんな中で、第一コーヒーはどうあるべきか。良祐氏はそのヒントを求め、コーヒー消費先進国のドイツやオーストリアを訪れた。

日本よりも、ずっと長い歴史を持つドイツやオーストリアのコーヒー文化。そこで気づいたのは、地域ごとの食に合った、地元に根ざしたコーヒー店が支持されているということだった。コーヒーは日本で例えるなら、地域によって特徴がある味噌のような存在。その地域で求められる焙煎・抽出を行い、コーヒー店としての個性が明確な店が発展を遂げていくと確信したという。

コーヒー先進国ヨーロッパに学び
品質の高さを自社の強みに

生豆から焙煎まで、品質に責任を持つのは経営者

良祐氏に、第一コーヒーにとっての個性は何かを問うと、「創業者時代から守り続けてきた品質」という答えが返ってきた。というのも、先代から受け継いだことのひとつに「品質は必ず経営者が責任を負わなければならない」という信念がある。ゆえに良祐氏は、会社の代表者でありながら、生豆の買い付けや焙煎など、コーヒー事業の核になるポイントでは、自らカッピングをするなどして品質チェックを行っている。また同社では品質をお客様にわかりやすく伝えるため、有機栽培やフェアトレード認証を取得した生豆を積極的に仕入れている。

老練の焙煎士が手がける、変わらない味わい

仕入れた生豆を焙煎するのは、東京の本社と静岡にある2つの焙煎所だ。東京本社のメンバーを率いるのは御歳90歳の焙煎士。先代の頃からずっと第一コーヒーの味を守り続けている。焙煎機はアメリカ製のバーンズ60キロと、国内製のフジローヤル10キロの2台を併用。バーンズは熱風式、フジローヤルは直火式で、生豆の量や特性によって焙煎機を選んでいる。

また、他社コーヒー製品の委託製造をする同社。味の変化を防ぐために、6ヵ月から1年前のコーヒー豆を冷凍保存して、定期的に飲み比べを実施。ここにも、変わらない味に対する品質保証が徹底されている。

ネットを介した注文が増加。市場に合わせて変化し続けたい

「日本のコーヒー業界の今後を考える上で欠かせないキーワードはデジタル化」と話す良祐氏。業務用コーヒーの卸が主だった第一コーヒーも、昨今では北海道から九州まで、メールで注文を受けることが多くなった。「個人の情報収集力には日々驚かされています。小売を伸ばすというよりは、お客様のニーズやご意見をうかがいながら、無理なく売り上げを拡大していきたい」と話す。常にコーヒー市場の一歩先を見つめている同社。卸、直営店、そして小売を手がける同社の次なる一手が楽しみだ。

Product商品詳細

第一コーヒー 株式会社有機珈琲 芳醇

(200g)864円(税込)

  • 価格は取材時点のものになります

コロンビア、グアテマラを中心とした有機栽培のコーヒー豆をヴィエンナ(フルシティローストのこと。同社では焙煎度合いの名称はヨーロッパ式に統一している)で焙煎。香り高くコクのあるブレンドに仕上げている。味への実直なこだわりが伝わるシンプルなデザインのパッケージには、コーヒーのガスが抜けていくようバルブが設けられている。 ※メール dc1@tune.ocn.ne.jp からもご注文を受け付けております。

ご注文はお電話で03-3583-4571ご注文はお電話で03-3583-4571【営業時間】9:00〜16:30(定休日なし)

Company会社情報

会社名 第一コーヒー 株式会社
住所 106-0044 東京都港区東麻布3-10-1
電話 03-3583-4571
FAX 03-3586-9018
営業時間 9:00〜16:30
定休日 なし
Mail finecup21@dream.jp
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