業界の固定概念に縛られない
お客様目線を追求した喫茶店
株式会社 宮田屋珈琲代表取締役 宮田一也
北海道に8店舗を構える宮田屋珈琲。社長の宮田一也氏は、他業種から飲食業界へ転職し、苦手だったコーヒーで起業したというユニークな経歴の持ち主だ。未経験だからこそ閃いたアイデア、そして徹底的なお客様目線のおもてなし。コーヒーを通じて社会に貢献したいと語る宮田氏に話を伺った。
脱サラを機に飛び込んだ、コーヒーの世界
札幌市内・近郊に8店舗を構える宮田屋珈琲。社長の宮田一也氏は、他業種から飲食業界へ飛び込み、1989年に宮田屋珈琲を創業した。実はもともとはコーヒーが苦手だったが、知り合いの勧めから、オフィス内で飲まれるコーヒーを焙煎して販売するオフィスコーヒー事業に興味を持ち、自らも同事業をスタート。コーヒー豆の焙煎をしていた本店でも小売を行なっていたが、あるとき小さな試飲スペースを設けたところ、お客さんの口コミで火が付き、喫茶店を始めることになった。
飲食業未経験だからこそ生まれた、お客様目線の発想
宮田屋珈琲の店舗には、“蔵をモチーフにした純和風喫茶”という共通のコンセプトが存在する。店舗に入るとまず驚くのは、座席の広さだ。宮田氏は、自身の営業マン時代の経験から、広くてゆったりと寛げる空間づくりに注力。席の配置や仕切り、照明まで気を配り、利用者のプライベートに配慮した。また、店内は老若男女問わず幅広い層のお客様が訪れる。その目的もビジネスの商談から女子会、趣味のワークショップなどさまざまである。
開業したての頃、同業者からは「場所が広すぎてうまくいかない」と忠告されたが、自らの直感を信じ、信念を貫き通した。業界の常識や固定概念にとらわれることなく挑戦し続けた結果、現在では道内に8店舗を構えるまで成長した。
お客様に喜んでもらえれば
それが正解だと思うんです。
固定概念にとらわれず、お客様に喜ばれる味を追求
宮田氏が築く、業界の常識や固定概念にとらわれないスタイルは、コーヒーにおいても同じだ。例えば、深煎りと浅煎りの焙煎豆をミックスさせた、オリジナルのマンデリンブレンドがそれにあたる。インドネシアで作られるマンデリンは、苦味や力強い味わいを楽しむために深煎りにするのが一般的だが、それはコーヒー業界においての定説。宮田氏はあえて、深煎りのマンデリンと数種類の浅煎りのコーヒー豆を合わせることで、飲みやすくバランスのよい人気ブレンドを生みだした。
「お客様に喜んでもらえさえすれば、それが正解」。その信念のもと、宮田氏は固定概念に縛られることなく、常に新たな価値を追求し続けている。
生豆の種類や量によって、3台の焙煎機を使い分ける
コーヒー豆の仕入れは信頼する商社とコーヒー専門の卸業者から、新鮮なニュークロップやその月のおすすめを買い付けている。焙煎機はフジローヤルの5キロ、10キロ、30キロを使用。5キロ焙煎機はブルーマウンテンなど中煎りのコーヒー、10キロの焙煎機では苦味の効いた深煎りのコーヒー、30キロの焙煎機はスーパーへ卸すコーヒーなど、コーヒー豆の特徴や商品によって、焙煎機を使い分け、焼き分けを行っている。
コーヒーを通じた社会貢献への想い
「コーヒーを通じて社会に貢献したい」と語る宮田氏。宮田屋珈琲では、階段の横に車椅子でも上がれる通路が用意されていたりと、店内のいたるところにバリアフリーが見受けられる。また、障害者福祉施設とコラボした「元気カフェ」の運営や障害者雇用の促進、さらにはドリップバッグコーヒーの売上の一部を「さぽーとほっと基金」に寄付する活動を行っている。コーヒー店が福祉向上に貢献するケースは極めて珍しい。「微力ながら、世の中に貢献したい」とコーヒーを見つめながら優しく微笑む宮田氏の表情には、その人柄が滲み出ていた。
Product商品詳細
有株式会社 宮田屋珈琲宮田屋スペシャルブレンド
(100g)520円(税込)
- 価格は取材時点のものになります
コロンビア、ブラジル、モカ、マンデリンの4種をブレンドした宮田屋珈琲のおすすめ商品。全て深煎りの焙煎豆をアフターブレンドするという、同社ならではのブレンド。酸味と苦味の相反する組み合わせから調和が生まれ、深いコクとまろやかな味を楽しめる。
Company会社情報
会社名 | 株式会社 宮田屋珈琲 |
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住所 | 004-0841 北海道札幌市清田区清田1条3丁目1-66 |
電話 | 011-881-7455 |
FAX | 011-881-7467 |
営業時間 | 9:00〜22:00 |
定休日 | 年中無休(元日を除く) |
HP | https://miyataya.co.jp/ |