新たなコーヒーの魅力を伝えて
新潟のコーヒー文化を変えてゆきたい
株式会社 鈴木コーヒー焙煎士 白井渉
新潟県内に7店を構え、新潟土産として人気のコーヒーを県内外に卸している鈴木コーヒー。現在、同社の焙煎を担うのは、入社6年目の若きエース、白井渉氏だ。学生時代に触れたコーヒーカルチャーの魅力に導かれ、この業界に転身した白井氏に話を聞いた。
学生時代からの夢だったコーヒーの世界へ
鈴木コーヒーは、自社直営店の「NIIGATA COFFEE DONYA」を始め、新潟土産として人気の「雪室珈琲」ブランドを作るなど、新潟の人々にとっては馴染み深いコーヒー会社だ。2018年、さらにコーヒーの可能性を広げるためにOPEN FACTORY「Roastery」を開設。焙煎工程を見学するために日々多くのお客様が「Roastery」に訪れている。そこで焙煎機を操るのが、バリスタを経て焙煎士になった白井渉氏だ。東京での大学生活を経て地元新潟に戻り、一時は公務員を目指したものの、「高校時代に憧れを抱いたバリスタになりたい」という想いを叶えるためにコーヒー業界へ転身。鈴木コーヒー入社後はエスプレッソ専門店の店長を経て、念願の焙煎士に抜擢された。
顧客第一主義、その上で新たな提案を
数ある商品やサービスのなかで、鈴木コーヒーを代表するものの一つが、お客様のオーダーで作るオリジナルのドリップバックだ。オリジナルデザインなら200個から製作可能で、中身は既存のブレンドやシングルオリジンコーヒーを使用。注文1000個からはオリジナルブレンドの制作にも対応している。鈴木コーヒーの伝統的なスタイルは、お客様と一緒にコーヒーをつくりあげる、顧客第一主義。「まずはお客様の嗜好に合わせ、その上で、さまざまな提案をしていきたい。次はどんな面白いことをするの?と皆に思わせたい」と白井氏は語る。
“コーヒーはフルーツ。
まだ知られていないコーヒーの魅力を伝えたい”
生産地で口にしたコーヒーチェリーの味に感動
2019年2月、焙煎士として働く白井氏の心を大きく揺れ動かした出来事があった。グアテマラとコスタリカの視察で訪れた農園で、収穫されたばかりのコーヒーチェリーを初めて口にした。生のコーヒーチェリーは、酸味も苦味もなく、ただ甘さだけ。「なんて甘いんだ!」と感激した。その時、飲み物としてのコーヒーの前に、まずフルーツとしてのコーヒーがあることに気づいたという。世界にはまだまだ知られていないコーヒーの新たな魅力がある。その魅力を世間に伝えたいと考えている。
素材本来の味を焙煎で表現する
鈴木コーヒーでシングルオリジンの焙煎をする際に使用しているのは、プロバット社製12キロの焙煎機だ。釜が厚く、生豆の表面を焦がさずにしっかりと熱カロリーを与えることができるため、コーヒー豆本来のフルーティな味わいを表現できるという。今から楽しみにしているのは、白井氏自らが農園視察し、取り寄せたグアテマラとコスタリカの生豆。「焙煎するのが楽しみでしょうがないです。この2つの国のマイクロロットは、鈴木コーヒーで特に強く推していきます」と今から意気込みを語る。
新潟のコーヒー文化を変えてゆきたい
近年、新潟ではコーヒー専門店が増えつつあるが、県外の焙煎所のコーヒー豆を使っている店が多く、「新潟のコーヒー文化には繋がってない」と語る白井氏。鈴木コーヒーの主な顧客は個人ではなく企業や会社。そのため、自社焙煎のクオリティを上げ、鈴木コーヒーが変われば、使っていただいているお店も変わり、新潟のコーヒーマインドが変わってゆく。新しいコーヒーの魅力を伝えるためにも、積極的にイベントを開催し直営店も増やしていきたいと考えている。
また、2019年の新たな取り組みとして、コーヒーと料理を提供できる最新鋭のキッチンカー「ヒポポタマス号」も導入した。「どこにでも駆けつけてコーヒーを提供したい」と白井氏は熱く語る。若き焙煎士が手がける新しいコーヒーの魅力が、新潟のコーヒー文化をどのように変えてゆくのか、期待が高まる。
Product商品詳細
株式会社 鈴木コーヒーコスタリカ プエンテタラス・ティピカ・レッドハニー
(100g)1,026円(税込)※通販は200gから販売
- 価格は取材時点のものになります
鈴木コーヒーが農園視察したコスタリカ・プエンテタラス精製所のコーヒー豆。小さな精製所だが、焙煎士自身が実際に現地に行き、目で見て感じてきた生産地なので、想い入れも深い。精製プロセスを元に、さらに豆本来の甘みを引き出す焙煎を行っている。焙煎度合いはシティ。チェリーのような甘酸っぱい果実味と爽やかなクリアさ、後味の甘い余韻が特徴的。
Company会社情報
会社名 | 株式会社 鈴木コーヒー |
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住所 | 950-0072 新潟県新潟市中央区竜が島1-4-4 |
電話 | 025-249-7400 |
FAX | 025-249-7080 |
営業時間 | 8:30〜17:30 |
HP | https://suzukicoffee.co.jp/ |